ジェンダー外来
ジェンダー外来
近年、各種メディアで、「LGBTQs」という言葉を目にする機会が増えています。これは、多様な性自認(自分の性別をどう認識するか)や性指向(どの性別を恋愛対象とするか)などを示す言葉で、その中の「T」にあたる、「トランスジェンダー」が、当院の性別違和に関する専門クリニックの対象となります。
トランスジェンダーとは、性自認に関する言葉で、端的にいえば、「心と体の性別が一致しないこと」を意味します。その中には、身体は男性だが自分の本来の性別は女性だと認識する人(トランスジェンダー女性)や、身体は女性だが自分の本来の性別は男性だと認識する人(トランスジェンダー男性)、また、自分はどの性別にも当てはまらないと認識するXジェンダーが含まれます。これらの当事者の中には、当然、自分の身体への違和感を持つ人が少なからずあり、身体的治療を必要とする人がいます。
もし誰にも相談できずお困りでしたら、当院までご相談ください。
自分の「男らしい」または「女らしい」身体的特徴に違和感や嫌悪感を抱きます。すね毛を剃ったり、胸にさらしを巻いたりして自分が思う性別での身体的特徴に近づけようとします。外科的手術をおこない心と性の一致を図ろうとする人もいます。
自分の心の性別と同一化したいという強い思いを持っているため、心の性別にふさわしい遊びや行動をとろうとします。例えば、男の子の場合、女の子の遊びを好んだり、女の子の服装をしたいと望みます。また、女の子の場合には、男の子のような活発な遊びを好みます。そうやって心の性別と同一化することによって気持ちが落ち着く傾向にあります。
社会や家庭の中で、心の性別が担うであろう役割を果たそうという行動をとります。また、服装や言葉遣い、身のこなしも同様に心の性別にふさわしいものを好み、実際にその役割を演じている人もいます。
しかし、中には性別違和のことを誰にも打ち明けることができずに、本来の自分らしさを表に出せないまま悩み続けてしまう人もいます。
十分な精神療法を行っても自分の性別とジェンダーの不一致に悩み、身体的特徴を少しでもジェンダーに合わせようと希望するとき、ホルモン療法を行います。その際、以下のような点について確認します。
これまでの生活の中で、性別違和のために受けてきた精神的・社会的・身体的苦痛について伺い、いずれの性別で生活するのが本人にとってふさわしいかの決定・選択を援助します。また、選択した性別で生活することを支援することも精神療法の段階で必要なことです。
より専門的なカウンセリングをご希望の方へは精神科のクリニックをご紹介させていただきます。
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